実際、筆者の子どもたちは「行事がないから全体練習がなくて楽だし、先生が怒るのを見なくて済むけど、今のクラスで何かしたのかと言われたら記憶に残らないかもしれない」と口々に言います。

これまでなら、「運動会の練習がキツイ」とか「工場見学のグループ発表の役割分担を決めた」といった学校での出来事をあれこれ教えてくれるのですが、そうした話が子どもたちの口から出ることはめっきり減りました。

卒業アルバムに載せるイベントがほとんどない

最近、イベントが少ないために卒業アルバムに載せる写真が少ないという話がメディアで取り上げられていました。小学6年生の子どもを持つ筆者にとっても他人事ではありません。

気になって小学6年生の筆者の子どもに聞いてみると、意外なことが判明しました。運動会や遠足の写真を撮るカメラマンの方が、授業風景の撮影のため足しげく学校に通っているそうなのです。

学年全体の集合写真はソーシャルディスタンスに配慮しながら行われ、カメラマンがシャッターを押す直前までマスクを着用し、合図をみてサッと外して笑顔を作るよう指示されたと聞き、「今年は大変だね」と答えるしかありませんでした。

先生方も卒業アルバムの中身を濃くしようと工夫をしてくれています。6年生が運動会で披露するはずだった踊りを体育の時間に練習し、クラス毎に本番用の衣装で写真撮影をしたのです。「少しでも学校行事の思い出を残したい」という先生方の気持ちが伝わってきて、ありがたく思いました。