爆発的な人口増加をベースに、日本の高度経済成長と重なる勢いを見せるフィリピン。そんなフィリピンには今、世界中の投資家が注目しています。

本記事では、世界中から注目が集まる背景や、フィリピンの中でも特に成長が予測される市場・業界について、フィリピンの首都マニラで金融事業を中心に活動を行うS DIVISIONホールディングスのCEO 須見一氏にお話を伺いました。

なぜ今?フィリピンに注目が集まっている理由とは

――なぜ今フィリピンに注目が集まっているのでしょうか?

世界経済の予測をするときに考慮すべき指標はいくつかありますが、最も重要な指標の1つは「人口ピラミッド」。一般的に、人口が増えると、当然、消費も増えると言われています。例えば、人口が2倍になる国なら、単純計算で、何の努力もしなくても消費や企業の売上も2倍になる。このように人口は、国の将来を支える重要な要素になります。
 
それを踏まえてフィリピンを取り巻く状況を分析してみます。フィリピンの現在の人口は約1億700万人。国連の人口中位推計によると、2028年にフィリピンの人口は約1億2,300万人と日本を抜くとも言われています。

またフィリピンの人口増加は単純な人口増加ではありません。人口ピラミッドを見ると、きれいな三角形になっていることが分かります。これは若者の数が多いことを表し、国力を支える担い手が多いことを示しています。

――他にはどのような観点があるのでしょうか?

GDPの面からもフィリピンの成長度合いが伺えます。国力を表すと言われるひとり当たりGDPですが、フィリピンは2018年に3,000ドルを超えました。(出展:IMF)この数字は日本の1970年頃に相当し、著しく経済成長した時代と一致。一般的にもひとり当たりGDPが3,000ドルを超えてくると、少しずつ豊かになってくると言われています。

以上のことから、フィリピンの可能性が見えてきます。今のフィリピンは50年前の日本と同じ。日本とまったく同じ足跡をたどるかどうかは分かりませんが、少なくとも今後、大きく成長していくことが想定されます。