注目が集まる「コールセンター・アウト・ソーシング事業」

――フィリピンの中でも特に注目の集まっている事業はどのようなものでしょうか?

今、フィリピンで特に注目を集めている事業の1つがBPOです。

(BPO:企業活動における業務プロセスの一部を、企画から運営まで一括で専門業者に外部委託するもの)

フィリピンの一部にはBPOの特区があり、ここではBPOに参入してくる企業に対して、インターネット回線を太くする、参入してくる企業の税制優遇など、さまざまな優遇措置がとられています。

――なぜフィリピンでBPO事業に注目が集まるのでしょうか?

フィリピンでコールセンター事業が拡大している理由としては、フィリピン人の英語のクオリティが挙げられます。元々コールセンター事業はインドで多く展開されていましたが、インド人の使う英語には独特の訛りがあり、「聞き取りにくい」などの苦情が多かったのも事実。その点、フィリピン人の使う英語はとてもきれいで聞き取りやすい。

また、英語圏のコールセンター事業を引き受けることは、稼働効率がいいことでも知られています。なぜ英語圏は稼働効率が良いかというと、オセアニア時間、欧州時間、米国時間で仕事を回せるためです。3交代制にすることで、1席を24時間体制で動かすことが可能となります。

これらの理由により、多くの企業がフィリピンへのBPOを行っています。実際、我々のもとにも、外資系の大手企業などから業務依頼をいただいております。
 
また、2020年現在、世界の主要国の多くは新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響を受けて大混乱の中にあります。働き方の見直しから業務をアウトソーシングに切り替える企業も増えると見られ、同様の理由からコールセンターのBPOを推進する企業も増えると考えられます。