いじめが原因で子どもが自殺してしまったり、教師までがいじめに加担していたなど、胸が痛むニュースは後を絶ちません。どんな時代にも、自分とは異なる他人の個性を受け入れられずにいじめという行動に変換してしまう人がいるものです。今回は、そんないじめで心に大きなトラウマを抱えた母親の思いを聞いてみました。
自分の幼い頃と子どもがそっくりで…
「自分の幼い頃に娘がそっくりで、いじめられてしまうんじゃないかと怖くなる」と話すのは、東京近県に住むAさん。5歳になる娘さんが大きくなるにつれて自分に似てくることが不安だと言います。
「自分は幼い頃、ずっといじめられていた。容姿なのか、性格なのか、小学校の頃はいじめられる原因が何かもよくわからなかったし、気が小さくておとなしいタイプだったから反撃も反論もできず、先生や親に助けを求めることもできなかった。小学校を卒業した後も、同じ中学校に進学した同じメンバーからのいじめが続いた」のだそう。
「高校受験が近づく頃にはみんな意識が受験に向いて、いじめなんかに興味はなくなったようだったけど、それでもあからさまに避けられていた。そんな私が親になるのはもともと不安だった」と話すAさん。子どもの頃のいじめの記憶が強いトラウマとして心にこびりついているのだそうです。
「大人になって振り返ると、自分は声も小さくて話をしてもイライラするだろうし、頭もよくなくて運動神経もない。運動会ではクラスの足を引っ張ったし、いじめられる要因は自分にもあったのかなと思う。だからこそ、娘には小さい頃から運動を習わせて自信をつけさせたいと思って、いまは新体操をやらせているけれど向いていないみたいで…」と言うAさん。