昔いじめをしていたことが、自分が親の立場になったときに降りかかってくるとは思いもしなかったでしょう。しかし、結婚前に「あなた、過去にいじめをしていたことはある?」なんて確認することもありませんし、いじめをしていた側の多くはそんなことは忘れているのでしょう。いまだにBさんは見えない相手におびえていると言います。

いじめが多い小学校への入学で…

「来年から通わせる予定の学校が荒れていると知ってとても心配」と語るのは、東海地方に住むCさんです。Cさんには来年から小学校に通う男の子が1人、3歳の女の子が1人います。夫の実家近くに新築戸建てを購入し、義両親との関係も良好で、仲良く楽しく暮らしていたのだそう。そんなある日、小耳に挟んだ話にショックを受けたといいます。

「夫と義母が『あの小学校って、あなたが子どもの頃はいじめで荒れていたよね』と話しているのを聞いてしまった。普通に公立に通わせるつもりだったけれど、それを聞いて心配になった。今もいじめがはびこっているとは限らないのかもしれないけれど、自分も昔、そういう学校を経験したから…。うちの子はちょっとドンくさいところもあるから標的になるのが心配」と話していました。

Cさんのお子さんはおとなしいタイプで、保育園でも遊んでいたおもちゃをほかの子に取られたり、いじわるをされても言い返せなかったりするところがあるようです。「そういう息子だから不安でしょうがない」とため息をついていました。

おわりに

こうして話を聞いてみると、いじめがいかに人の心に深く傷を残すものかがわかります。自分の子どもがいじめの被害者になるのはもちろん、加害者になるのも親としては絶対に避けたいもの。彼女たちの話を聞いて、自分なら何ができるるかを考えてみるのもいいかもしれませんね。

大塚 ちえ