Aさんにとってはまさに青天のへきれき。結婚してこのかた、浮気もしたことがないしギャンブルにもまったく無縁。家族に内緒の借金もありません。

「自分は毎日身を粉にして家族のために働いてきました。休日もなるべく家族で出かけるようにしていたんです。離婚を迫られる心当たりはまったくありませんでした」

「とりあえず落ち着いて、考え直してほしい」と説得を試みるも、妻はかたくなに首を縦に振ろうとしません。

「ひとり息子はまだ小学生。両親が揃っていた方が絶対いいに決まっています。それに何より、自分自身が、妻を、家族を愛しているんです」

妻から告げられた意外な理由

どれだけ説得しようとしても取り付く島のない妻に、Aさんも根負けし、「とりあえず、実家に戻って冷静に考え直してみてくれないだろうか」と伝えたところ、妻はそれを了承。子どもを連れて実家へと帰ったそうです。

「妻の実家はわが家からさほど離れていないため、子どもは妻の実家から通学できることもあり提案してみました。きっと衝動的に怒りがこみあげて、離婚なんて口走ったんだろうな…と思っていたんです」

しかし、実家に戻って1カ月ほどたったころ、妻から「やっぱりやり直せない。私の両親も離婚には賛成してくれている」というLINEが。

「別れるにしても理由がわからない。理由を話してくれないか?」とAさんが返信すると、妻から「あなたは、モラハラ夫でした」という思いがけない答えが返ってきました。