積年の恨みは海よりも深かった
「モラハラ(モラルハラスメント)」という物騒な言葉にAさんは再度仰天、慌てて「まったく自覚がない、話を聞かせてほしい」と連絡。妻の実家で話し合いの時間を設けることになりました。
「ようやく妻と話ができたのですが、妻の恨みは相当根深いものだったんだな…ということを痛感させられる時間でした」
「自分のどこが悪かったのか教えてほしい」と訴えるAさんに、妻がまず語り始めたのが、出産時のエピソード。
「産後心身ともに疲労していたのに、あなたは義両親を部屋に連れてきて、こともあろうにお宮参りの話をし始めた。私は全く頭が回らない状況で、反論する元気もなかった。それをいいことに、勝手にお宮参りの場所や日程を決めて…。8月の暑い盛りに着物を着てのお宮参りは地獄だった」
せきを切ったようにAさんへの恨みを語り始める妻。
- 子どもの夜泣きがひどいときに「ちょっと静かにさせてくれないか」と言った。
- 私がぎっくり腰になり「子どもをお風呂に入れてほしい」と頼んだのに、「今からジョギングに行くからムリだ」と言われた。
- 体調が悪くてスーパーのお惣菜を夕食に出したときに、「お、今日は手抜き?」と言われるのが冗談でもイヤだった。
- ボディソープがきれたことに腹を立てて3日間も口をきかなかった。
- お付き合いでクラブに行くのは百歩譲ってよしとしても、そこのホステスの誕生日にネックレスをあげていたのは許せなかった。あなた、私の誕生日に何かくれた?
- ゴキブリが出たときに「ゴキブリが出るくらい家が汚れていても平気なのか」と私を罵倒した。
- ことあるごとに「家事はお前の役目」と言って手伝おうともしてくれなかった…