統計に見る20代の給与事情~年収の高い業界は?~

次に国税庁が公表している、「平成30年(2018年)分民間給与実態統計調査」より、業種ごとの年代別の平均給与についてみてみましょう。ちなみに、1年を通じて勤務した給与所得者5026万人の平均給与は441万円(男性545万円、女性293万円)となっています。

※国税庁のデータをもとに編集部作成


業種別全体でみると、1年を通じて勤務した給与所得者の平均給与が最も高い業種は「電気・ガス・熱供給・水道業」の759万円、2位は「金融業、保険業」の631万3000円、3位は「情報通信業」の622万4000円と続きます。

ちなみに、事業を始めるにあたって免許や資格が必要になる業種を「規制産業」と呼び、電気やガス、通信、金融、医療などの業種がこれに該当します。業界固有の法規制を乗り越えないと事業に参入できないため、参入済み企業が優位性を保ちやすいのが規制産業の特徴です。働く社員にも資格取得が求められることが多く、それが、これらの業種の平均給与を押し上げる要因となっているのかもしれません。

なお、上記の表では、20代前半、20代後半、平均給与のピークとその年代についてもピックアップしてみました。20代では、その業界の平均給与にはまだまだ届かないことがわかります。

ちなみに、全業種の20代前半の平均給与は267万円、20代後半の平均給与は370万2000円となっています。20代後半は、仕事にも慣れ、中堅といわれるようになってくる頃ですので、その実力が給与に反映されてくるということなのかもしれません。

ただ、平均給与額のピークが50代前半である業種が多いことを考え合わせると、平均給与が比較的高いといわれている業種においても、ある程度腰を据えて頑張ることが必要ということなのでしょう。