金融機関の間では「貯蓄から投資へ」というスローガンのもと、預貯金から有価証券へのシフトを促す宣伝などを長い間耳にしてきたという方も多いかもしれません。しかし、実際のところは、引き続きこの年収の世帯では預貯金が多くの比率を占めています。

余談ですが、生活者として重要なのは、銀行、生命保険会社、証券会社といった順になるということが、金融資産の内訳をみるとお分かりいただけると思います。そうした観点からすると、監督官庁である金融庁からもすると、監督をする重要度はその順になるというのは想像ができるでしょう。

年収450万円から500万円までの世帯について

さて、同様に年収450万円から500万円までの世帯についての貯蓄の内訳について見ていきましょう

まずこのレンジの世帯の貯蓄はいくらでしょうか。

その金額は829万円となっています。

それではその内訳について見ていきましょう。

  • 通貨性預貯金:291万円
  • 定期性貯金:348万円
  • 生命保険など:188万円
  • 有価証券:120万円
  • 金融機関外:11万円

先ほど見た年収400万円から450万円の世帯と比べると、定期性預貯金及び通貨性預貯金、有価証券が増加しています。一方、生命保険などの額が若干ですが減少しています。

貯蓄額全体は増加していますが、そのほとんどの増加分については預貯金が積み優れているという理解で良いでしょう。日本人が預貯金が好きというのもここでもよくわかります。