お金の話は身近な人にでも気軽に聞けない、と言うのは皆さんがお感じではないでしょうか。しかし、お金について真剣に考えるためには情報が必要です。その情報も正確であればあるほど有効活用することができます。

それではお金について知るためにはどうすれば良いでしょうか。一番良いのは官公庁によって公開されているデータを元に正確に数字を知ることです。

今回は、総務省が2020年5月に開業している「家計調査」をもとに、年収別の貯蓄の水準について見ていきたいと思います。

貯蓄と言っても、多くの方が考えているように金融機関の預貯金だけではなく、生命保険や有価証券と言った金融商品も含みます。

ここでは年収別にどのような金融商品を持っているのかも合わせてみていきましょう。

年収400万円から450万円の世帯について

日本の平均年収は約440万円といわれています。まさにこの年収のレンジの世帯が日本を代表する年収の世帯とも言えます。

それでは早速、二人以上の世帯のうち勤労者世帯の貯蓄について見ていきましょう。

結論から言うと、この世帯の貯蓄は861万円となっています。

またその内訳は以下の通りとなっています。

  • 通貨性預貯金:247万円
  • 定期性預貯金:332万円
  • 生命保険など:189万円
  • 有価証券:83万円
  • 金融機関外:10万円

このように見ると、貯蓄のうち大部分が預貯金だということがわかります。また預貯金についで金額が多い金融資産は、生命保険などということが見えてきます。

金融機関の間では「貯蓄から投資へ」というスローガンのもと、預貯金から有価証券へのシフトを促す宣伝などを長い間耳にしてきたという方も多いかもしれません。しかし、実際のところは、引き続きこの年収の世帯では預貯金が多くの比率を占めています。

余談ですが、生活者として重要なのは、銀行、生命保険会社、証券会社といった順になるということが、金融資産の内訳をみるとお分かりいただけると思います。そうした観点からすると、監督官庁である金融庁からもすると、監督をする重要度はその順になるというのは想像ができるでしょう。

年収450万円から500万円までの世帯について

さて、同様に年収450万円から500万円までの世帯についての貯蓄の内訳について見ていきましょう

まずこのレンジの世帯の貯蓄はいくらでしょうか。

その金額は829万円となっています。

それではその内訳について見ていきましょう。

  • 通貨性預貯金:291万円
  • 定期性貯金:348万円
  • 生命保険など:188万円
  • 有価証券:120万円
  • 金融機関外:11万円

先ほど見た年収400万円から450万円の世帯と比べると、定期性預貯金及び通貨性預貯金、有価証券が増加しています。一方、生命保険などの額が若干ですが減少しています。

貯蓄額全体は増加していますが、そのほとんどの増加分については預貯金が積み優れているという理解で良いでしょう。日本人が預貯金が好きというのもここでもよくわかります。

年収に対して貯蓄がどれくらいあればいいのか

さて、ここまで年収400万円から450万円、また年収が450万円から500万円の世帯についてそれぞれ見てきました。

年収に対して貯蓄をどれぐらい持っているというのが平均像なのでしょうか。

ここまでのデータを元に考えると、年収400万円から450万円のケースでは、1.9倍から2.2倍、また年収450万円から500万円のケースでは、1.9倍から2.1倍という状況となっています。

ざっくり言うと、年収に対して約2倍程度の貯蓄があれば他の人と変わらないと言うことが言えます。

ただしこれもあくまでも平均ということで、極端に貯蓄の額が少ない人や極端に貯蓄の額が多い人が含まれているとすると、平均値は歪んでしまうので一概に言えませんが、あくまでも一つの目安として参考にすると良いでしょう。

年収400万円代の人の資産運用とは

年収400万円代の人の貯蓄は800万円台から900万円であるということがここでわかりました。

その一方で、2019年に大きく話題となった金融庁のワーキンググループが発表した、いわゆる「老後2000万円問題」を考慮に入れると、やはりこの金額の預貯金では物足りないなということが感じられます。

それでは老後に向けてどのように資産運用してすれば良いのでしょうか。

最近では、 iDeCo(イデコ)や NISA と言った非課税枠なる投資ができる制度を耳にした方も多いのではないでしょうか。 iDeCoについては厚生労働省、 NISA については金融庁が監督官庁として中心的な役割を果たしています。国も各省庁を上げて国民の老後資金形成のサポートをしていると言えます。

しかし、それぞれ利用者数を考えるとまだ国民全体が十分に理解をして資産運用始めてるという状況ではないといえます。

イデコ についてもつみたてNISA についても投資信託という金融商品を利用する場面が多くなっていますが、先ほど見たように、有価証券の内の投資信託の金額は決して多いと言えません。

国民全体が金融商品に対して慣れ親しんでいるということがないというのがそもそもの問題かもしれません。

日本は海外と比べると金融リテラシー、金融教育が遅れていると言われていますが、大人になって金融の勉強をするという機会もそれほど多くありません。積極的に情報を取りに行く姿勢が必要です。

まとめにかえて

イデコや NISA は、口座開設から銘柄選択まで、また売却のタイミングも含めて全て自分で行わなければなりません。 「DIY 投資」とも一部では言われています。「 DIY」 とは、 「do it yourself」 の略で、全て自分で行うということが前提となっています。

自分で調べて自分で意志決定を出来る方であれば、 DIY投資で心地よいかもしれませんけれども、これから資産運用を初めてという方にとってはハードル以外の何者でもありません。

そうした方に便利な役割を果たす職業として IFA、 独立系ファイナンシャルアドバイザーという仕事の人たちがいます。イギリスなどでは IFA が資産運用のアドバイスを行うとともに生命保険などの販売の比率も高くなっています。

日本ではロボットアドバイザーと言われるような機械が資産運用のアドバイスをすると言う話題もよく出ますが、最終的には生身の人間との対話をしながら資産運用したいという方も多いのではないでしょうか。そうした方は IFA を頼ってみるのも一つかもしれません。

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参考資料

総務省「家計調査(貯蓄・負債編)ー2019年(令和元年)平均結果ー(二人以上の世帯)」

マネー編集部貯蓄班