そもそも「出品禁止物」削除や通報の範囲の品物

吉村大阪府知事がコメントをした「ポビドンヨードをふくむうがい薬」は医薬品(第3類医薬品)の扱いになります。多くのフリマアプリでは、医薬品の出品を禁止していますから、これを出品するのはガイドライン違反となります(※2)。そのため出品しても即削除されたり、他のユーザーから通報されることもあるでしょう。悪質な場合にはペナルティーがかされ、アカウント停止になってしまう場合もあります。

また東京都福祉保健局からは、医薬品医療機器などの販売は法律に触れることもあるため、フリマサイトなどで販売できないと警告しています(※3)。もし医薬品を売るのであれば許可が必要となるのですが(医薬品医療機器等法第24条第1項)、先ほども書いたようにフリマアプリ自体が出品を禁止しているので、どのみち医薬品をフリマアプリに出品することはできないということになります。

情報に振り回されてはいけない

うがい薬がCOVID-19に効果があるかどうかについて、厚生労働省は時期尚早とみていると書いたのですが、ネット上で調べてみても情報が少なすぎる印象はあります。効果があるという期待も込めてのことだったのかもしれませんし、買った人も「もしかしたら」という思いがあるのでしょう。その思いがフリマアプリでの購入に繋がり、「高く売れるから売ろう」という動きになりマイナスの連鎖が始まってしまいました。「買わない」という選択肢も、この流れを止めるためには必要でしょう。

またうがい薬は、病気をもっている人や薬によってアレルギー症状を起こしたことがある人などは、医師や薬剤師に相談した方がいいケースもあります(※4)。もしCOVID-19に効果があったとしても、自分の健康状態によっては使ってはいけないこともあるので、情報に流されてしまうのは危険です。そういう意味も込めて、今の時点でうがい薬を慌てて買わなくてもいいのかなと考えています。