2021年3月期Q1は運用益がゲーム事業の利益を超える

コーエーテクモHDは資産運用も行うゲーム開発会社として知られています。2020年3月期末時点で714億円の投資有価証券を持ち、2020年3月期は投資有価証券売却益を中心に営業外利益48億円を計上しました。

しかも、たまたま2020年3月期に大きな投資有価証券売却益があったのではなく、2019年3月期62億円、2018年3月期66億円、2017年3月期64億円、2016年3月期47億円、2015年3月期39億円と、毎年コンスタントに運用益を計上しています。

そして注目すべきは、2021年3月期Q1の運用益が、本業であるゲーム事業の利益を超えている点にあります。営業利益44億円に対し営業外利益46億円であり、わずかながら運用益が本業のゲーム事業の利益を上回りました。

今年の4-6月はコロナショックからの株価回復期に当たり、その相場の上昇が運用益に反映された形です。しかしコロナショック前の株価水準に戻らない銘柄も多いことを考えると、同社の資産運用を担う襟川恵子会長の手腕はお見事と言うほかありません。

本業も大幅な増益に

コーエーテクモHDはゲーム開発会社であり、運用益は本業以外の収入、すなわち営業外利益です。

この営業外利益が好調でも、多くの場合は株式市場からそれほど評価されません。しかし同社は運用益が本業を上回ったQ1決算発表後に株価は出来高を伴って上昇し、4,000円台に乗せています。