悩み続けた日々 

悩み続けるなかでも、母は変わらす笑顔で家族に接していたそうです。父もそれに応えるように、家にいる時間が増え、家族で出かけることが多くなったのだとか。

「はじめてキャンプに行ったのをよく覚えています。ものすごく楽しかったのですが、もしかしたら、両親は楽しくないのかも……と、変に勘ぐって落ち込んでしまいました。

家族でいることが『楽しい』と思うことは、母の我慢の上に成り立っているのではないかと、素直に楽しめない自分がいたのです。そして、私自身も結婚をして子どもを授かってから、その思いは強くなりました。」

S子さんは結婚したことによって、『母の立場』をより理解できるようになったといいます。子どものために父親はいた方がいい、子どもを育てるにはお金が必要だから離婚はしない方がいい……と、子ども(私)のために結婚生活を続けたのではないか。

長年悩み続けたS子さんは、勇気を振り絞って【母が離婚をしなかった理由】をついに聞いたそうです。