最近、「年収1000万円あっても、生活は決してラクではない」という言葉をよく耳にするようになりました。これは、累進課税によって、所得税などの税率が高くなることや、所得制限のある様々な支援金などの給付対象からはずれてしまうことなども大きな要因と思われます。

気前よくお金を払ってくれる人や、高価そうな物を身に着けている人、豪華な家に住んでいる人など、日頃からなんとなく家計に余裕がありそうな人のことを「お金持ち」と表現することが多いかもしれませんね。じゃあ、そもそも具体的にいくらぐらいの金額を稼ぎ、どのぐらいの資産を保有していたら「お金持ち」になるのか、ちょっと疑問に思いませんか?

そこで、今回は「お金持ち」の定義について考えてみたいと思います。

「お金持ち」を定義してみると…

「お金持ち」の資産額や収入額がどれくらいなのかを具体的に定義するものはありません。しかし、似た言葉で「富裕層」を定義している研究資料は存在します。

それが、2018年12月に野村総業研究所(NRI)が公表した『野村総合研究所、日本の富裕層は127万世帯、純金融資産総額は299兆円と推計』です。こちらの資料では「富裕層」を以下のように分類しています。

  • 「超富裕層」:世帯の純金融資産保有額が5億円以上
  • 「富裕層」:世帯の純金融資産保有額が1億円以上5億円未満
  • 「準富裕層」:世帯の純金融資産保有額が5000万円以上1億円未満
  • 「アッパーマス層」:世帯の純金融資産保有額が3000万円以上5000万円未満
  • 「マス層」:世帯の純金融資産保有額が3000万円未満

ご覧のように、1億円以上の純金融資産を保有している世帯を「富裕層」、5億円以上を「超富裕層」と区分にしています。ただし、ここでの「金融資産」は預貯金・株式・債券・投資信託・一時払い生命保険・年金保険などを指しており、不動産は含みません。