一つ目は、「その指標の示す売買サインにしたがって取引すれば、過去のシミュレーションで利益が得られたということを根拠にする」。もう一つが、「値動きにあらわれる特定のパターンの繰り返しを見つけることで、次の値動きが推測できる」という考え方です。

前者は、「テクニカル指標の出す売買サインが30%くらいしか当たっていないかもしれないし、必ずしも現状を正確に示していないかもしれないが、利益が得られるのであれば、盲目的に従えばいいのではないか」という考え方が反映されているとみています。

また、後者は、値動きに市場参加者の意思が反映されているという考え方で使われています。

コンピューター同士の戦いなら、必ず速度が速い方が勝つ

さて、第一の根拠であるシミュレーションした結果、利益を得られる指標に盲目的にしたがうという考え方は、現在の状況が理解できれば多くの方が難しいと気づくことも多いはずです。

売買サインに盲目的にしたがうなら、自動売買にすればいいのですが、コンピューター同士の戦いなら、環境の整っている方、コンピューターの性能のいい方が勝つのが当たり前です。

たとえば、特定の値段で多くの注文が入っているということを瞬時に判断して、仕掛けを成立させて、すぐに手じまいさせて損を出させて終わらせることなど、設備状況で優位な場合には容易にできます。

以前なら、シミュレーションと同じ取引を繰り返すことができましたが、高速での自動売買の割合が大きくなっている現状では、想定した取引ができるとは限りません。