夫の死で考え始めた「義実家との今後」

A子さん(東京都・55歳・会社員)は、45歳のとき同じ歳の夫を心筋梗塞で突然亡くしました。いわゆる「過労死」でした。

地方の田園地帯でのんびり育った夫は、大学進学で上京し、そこでA子さんと出会いました。その後、地元でのUターン就職を望む両親を振り切り、東京の大手企業に就職し、A子さんと結婚。一男一女をもうけました。

夫の両親は健在で、当然ながら息子の早すぎる死に大きなショックを受けていました。ところが葬儀の後、親戚一同を前に、義父がA子さんをこう責めたのです。

「地元に戻って就職していれば、あいつは過労死なんてしなかったはずだ。東京の娘と結婚なんて、俺は最初から反対だった。旦那の健康管理ひとつもできないなんて、長男の嫁失格だ。息子を返せ!」

この言葉に深く傷つけられたA子さんは、その後、法要などの場で義実家の面々と会うたびに、動悸や過呼吸に悩まされるように。

「夫が亡くなっても、この人たちと戸籍上のつながりを続けていかねばらないのか思うと…」

そんな苦悩を親友に打ち明けたA子さんは、「姻族関係終了届」なるものの存在を初めて知ります。