2019年に金融庁の金融審議会・市場ワーキング・グループの報告書をきっかけに話題となった「老後2000万円問題」がまだ記憶に新しい、という人もいるでしょう。
「人生100年」ともいわれる時代がおとずれ、老後の生活資金の確保について不安視する声を多く聞きます。老後資金の準備には、個人年金保険や「iDeCo(イデコ)」などいくつかの選択肢があります。それぞれの特徴のメリット・デメリットを理解し、ご自身に合っている方法を選んでいきたいものですね。
個人年金保険に加入している人の割合は?
個人年金保険は保険会社が販売する生命保険の一種で、保険と年金の機能をもつ商品です。
受取り期間が5年・10年など一定期間の「有期年金」、終身にわたって年金を継続受給できる「終身年金」など様々な受取タイプを選べます。また、他の保険と同じように、保険料の「月払い」「半年払い」「年払い」のほか、全期を一括で支払う方法などもあります。
公益財団法人生命保険文化センターが実施した、「平成30年(2018年)度 生命保険に関する全国実態調査」による、個人年金保険の世帯加入率は全生保(かんぽ生命を含む「民保」、簡保、JA、全労済の合計)で21.7%(前回21.4%)であり、民保のみでは17.3%(前回16.7%)となっています。
また、直近加入契約(生命保険・個人年金保険:かんぽ生命をのぞく民保)の目的についても、「老後の生活資金のため」が10.8%(前回7.7%)となっており、老後の備えとしての加入につながっている様子が分かります。
また、同センターが実施した、「令和元年(2019年)度「生活保障に関する調査」によると、老後の生活への備えとして一番多い回答(複数回答)は「公的年金」の86.7%で、次に「企業年金・退職金」が約41.9%。続いて、個人年金保険関連も大きな割合を占めていることが分かります。
- 公的年金…86.7%
- 企業年金・退職金…41.9%
- 個人年金保険…33.4%
- 変額個人年金保険…9.3%
- 損保の年金型商品…5.4%
- 生命保険…11.4%
- 預貯金…69.6%
- 老後も働いて得る収入…22.3%
年金保険関連は、個人年金保険・変額個人年金保険・損保の年金型商品の合計で48.1%。生命保険の11.4%も含めると6割近くになることが分かりました。ここで、個人年金保険のメリットとデメリットについて確認しておきましょう。