午後3時頃を境に客層が一転するマクドナルドの店内
マクドナルドの店舗に行くと分かりますが、ランチ時を除けば、平日は午後3時くらいまで意外に空いており、静かな一時を味わうことができます(注:店舗所在地によって異なる)。
しかし、午後3時以降になると客層が一転し、帰宅途中や学習塾に行く前の中高生の“溜まり場”と化します。最近は小学生も散見されます。それまでの静寂はどこへやら、ギャーギャー騒ぐ声が店の中に響くのを経験した人も少なくないのではないでしょうか。
さらに、もう少し遅い時間になると、退社後のサラリーマンによる“残業場”となります。マクドナルドは電源コンセントが完備されている店舗が多いため、パソコン作業には非常に適しています。
そして、こうした午後3時以降に登場する客の多くは、1杯100円(Sサイズ)や150円(Mサイズ)のコーヒーしか注文しません。たまにチキンナゲットやフライドポテトを買う人もいますが、かなり少数派でしょう。筆者も、スマホのアプリのクーポンでMサイズのコーヒーを120円で購入し、2時間近く仕事をしています。
不採算客の一掃とテイクアウト増加が客単価の大幅上昇を引き起こした
筆者を含め、こうした多くの客が、店の収益に貢献していないのは明らかです。それどころか、足を引っ張っている可能性が高いと言えましょう。
コロナ禍の影響でマクドナルドが店内飲食中止に踏み切った4月~5月は、こうした客が一掃されたわけですから、客単価が大幅上昇したのは、ある意味で当然とも考えられます。
また、テイクアウトの高い利益率も容易に推察できます。なぜならば、コーヒー1杯とかハンバーガー1個をテイクアウトする人は極めて少なく、「ビッグマックセット」のような高付加価値商品を注文するケースが多いと考えられるからです。さらに、テイクアウトは一度に複数個の注文が多いことも理由の1つです(たとえば家族3、4人分)。
コロナ禍の時期、マクドナルドの採算性は大幅に向上したと考えていいのではないでしょうか。