コロナ禍で売上激減が続く外食産業で“ほぼ一人勝ち”
ファストフードを含めた小売消費業界で重要な指標は「既存店売上高」の対前年同月比であり、とりわけ「客単価」の対前年同月比が最重要と言われています。
今年1月以降の日本マクドナルド既存店売上高、客数、客単価の対前年同月比は、同じ順序で以下の通りです。
- 1月:+2.6%、+1.5%、+1.0%
- 2月:+14.7%、+9.2%、+5.1%
- 3月:▲0.1%、▲7.7%、+8.3%
- 4月:+6.5%、▲18.9%、+31.4%
- 5月:+15.2%、▲20.7%、+45.3%
この実績を見てお分かりの通り、コロナ禍の影響で客数は大幅減少となったものの、客単価はそれを補って余りあるほどの大幅増加となり、売上高も大幅増加となりました。
他の飲食店やファストフード店が売上激減を強いられた中、日本マクドナルドの好調さが際立ったと言えます(なお、ケンタッキーフライドチキンの日本KFCHDの4月・5月の既存店売上高、客単価も大幅増でした)。
そして、3月に急落した日本マクドナルドの株価が一転、上場来高値更新まで上昇し始めるのが、驚異的な4月実績が出た頃からなのです。
それにしても、5月実績のように、客数が▲20%減少しながら客単価が+40%上昇するというのは、常識的には少し考え難いものがあります。この時期、日本マクドナルドが値上げを実施した事実はありません。確かに、季節限定の新商品が好調だったようですが、これは毎年のことなので、客単価の大幅上昇を説明するには不十分です。
その理由は店内飲食の客数が激減したことにありそうです。