三井化学、通期は減収減益 基盤素材事業における海外市況下落の影響や需要減少に伴う減販が主因

2020年5月14日に行なわれた、三井化学株式会社2020年3月期決算説明会の内容を書き起こしでお伝えします。

スピーカー:三井化学株式会社 コーポレートコミュニケーション部IRグループリーダー 小池太郎 氏

1)2019年度 事業概況及びトピックス

小池太郎氏:みなさま、こんにちは。三井化学IRグループの小池です。当社ネットカンファレンスにご参加いただき、誠にありがとうございます。本日、当社は2019年度決算および2020年度業績予想を発表しました。業績の概要、事業の概況、財務諸表等について、資料をもとにご説明しますので、どうぞよろしくお願いします。

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1ページをご覧ください。2019年度の事業概況とトピックスを記載しています。記載内容、詳細説明は割愛しますが、2019年度決算の収益の状況をまとめて行ないます。

まず、当社が強化している成長3領域については、合計ではおおむね前年同期並みに推移しました。一方、基盤素材事業については、海外市況下落の影響、需要減少に伴う減販等により大きな減益となり、全体で営業利益が前年同期比で減益となりました。

なお、各セグメントで第4四半期に新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けています。

2)決算の概要

2ページをご覧ください。2019年度決算の概要です。売上高は1兆3,390億円、前年比1,439億円の減収となりました。営業利益は716億円、前年比218億円の減益、経常利益は655億円、前年比375億円の減益、親会社株主に帰属する当期純利益は379億円、前年比382億円の減益となりました。為替レートは109円で、前年から2円の円高、国産ナフサ価格はキロリットルあたり4万2,900円、前年比6,500円の下落となりました。2019年度期末配当は、中間同額の50円とし、年間100円の配当とします。

2)決算の概要

3ページをご覧ください。有利子負債については5,542億円で、前年度末に比べ692億円増加、現預金を有利子負債から控除したネット有利子負債は3,998億円で、前年度末に比べ258億円の増加となりました。

自己資本は5,276億円で、前年度末に比べ243億円減少しました。この結果、ネットD/Eレシオは0.08ポイント上昇し、0.76となりました。自己資本については1.2ポイント下落し、35.6パーセントとなりました。連結対象会社は、連結子会社が116社から117社と、合計で1社増加しました。

3)セグメント別 売上高・営業利益の内訳(増減分析 対前年決算)

4ページをご覧ください。セグメント別の売上高、営業利益の内訳および対前年の営業利益増減分析です。

売上高合計は前年比で1,439億円の減収となりました。これは、基盤素材を中心に、原料価格下落による販売価格改定や海外市況の下落の影響等に加え、新型コロナウイルスの影響等により販売数量が減少したことによるものです。

次に右側の営業利益を説明します。営業利益合計は、前年同期比で218億円の減益となりました。モビリティは営業利益が392億円、前年同期比35億円のマイナスとなりました。数量差は23億円のマイナスとなりました。

自動車用途については、グローバルな自動車生産減速の影響に加え、新型コロナウイルスの影響を受けました。ICT関連用途では、需要に的確に対応し、販売は堅調に推移しました。交易条件は6億円のプラス、固定費他は、在庫固定費増加などにより、18億円のマイナスとなりました。

ヘルスケアは営業利益138億円、前年同期比2億円のプラスとなりました。数量差は、眼鏡レンズ用材料の販売が堅調に推移した結果、前年同期比で10億円のプラス、交易条件は1億円のプラス、固定費他は不織布新プラント稼働に伴う償却費の増加等により、9億円のマイナスとなりました。

フード&パッケージングは、営業利益181億円、前年同期比3億円のプラスとなりました。数量差は、産業用フィルムの販売が堅調に推移したものの、包装フィルムや農薬で販売が減少し、前年同期並みとなりました。

交易条件は原料価格の下落の影響により18億円のプラス、固定費他は研究開発費、在庫固定費の増加等により15億円のマイナスとなりました。基盤素材は営業利益87億円、前年同期比191億円のマイナスとなりました。数量差は64億円のマイナス、ポリオレフィンの包材用途に加え、新型コロナウイルスの影響に伴う需要鈍化の影響を受けました。

交易条件は、オレフィン、フェノールの海外市況が低水準で推移し、135億円のマイナスとなりました。その他セグメントは3億円のプラスとなりました。

4)営業外損益及び特別損益の内訳①

5ページをご覧ください。営業外損益の内訳を記載しています。営業外損益の2019年度合計は、61億円のマイナスとなりました。前年同期比で157億円の減益となりましたが、主としてウレタンJVなどの持分法投資利益の減少および、その他に計上している事故、台風による損失等の増加によります。

4)営業外損益及び特別損益の内訳②

6ページをご覧ください。特別損益の内訳を記載しています。特別損益の2019年度合計は30億円のプラス、前年同期比では7億円の増益となりました。特別利益には、退職給付信託設定益等、合計248円を計上、対前年で90億円増加しました。

特別損失には、固定資産処分・売却損、出資金評価損と合計で218億円を計上しています。2018年度に計上した火災による損失はなくなりますが、対前年で83億円損失が増加しました。その結果、特別損益合計としては、前年比で7億円の増益となりました。

5)貸借対照表

7ページをご覧ください。貸借対照表です。総資産1兆4,801億円、前年度末に比べて210億円の減少となりました。増減が複数の項目で出ていますが、ナフサ価格下落に伴う売掛債権、買掛債務の減少などによるものです。

6)キャッシュ・フロー計算書

8ページをご覧ください。キャッシュ・フロー計算書です。営業活動によるキャッシュ・フローは1,150億円、投資活動によるキャッシュ・フローはマイナス852億円です。この結果、フリーキャッシュ・フローは298億円のプラス、財務活動によるキャッシュ・フローは90億円のプラスとなりました。

1)2020年度のトピックス

続きまして、2020年度業績予想の概要についてご説明します。9ページをご覧ください。2020年度のトピックスを記載しています。シンガポールにおける「α-アルファメチルスチレン」生産、PPコンパウンドのタイ拠点生産能力増強、同じく、オランダ拠点営業運転開始、EUVペリクル生産設備新設、高機能エラストマー「タフマーⓇ」生産能力増強、大阪工場におけるガスタービン新設、中国におけるガラス長繊維強化ポリプロピレン生産設備新設、市原工場における高純度プロピレン増強と能力増強、合理化投資など、このようなものが2020年度に戦列に加わっていきます。

2)IFRSの任意適用について

10ページをご覧ください。IFRSの任意適用についてのご説明です。冒頭にお伝えしたとおり、2020年度業績予想は、今回よりIFRSベースで作成しています。それに伴い、対比元となる2019年度決算を、日本基準からIFRSベースに組み替えており、こちらでその組替えの影響をお示ししています。

日本基準の売上高1兆3,390億円は、IFRS適用により、会計処理変更に伴う連結範囲の変更が105億円の増加要因となり、売上収益として1兆3,495億円となります。同じく、日本基準の営業利益716億円は、売上高の増加、持分法損益、除却損等の表示方法変更、のれんの償却等の会計処理変更によるネットの増加により8億円増加し、コア営業利益は724億円となります。

日本基準の税金等調整前当期純利益685億円は、会計処理の変更に伴い、退職給付信託設定益および出資金評価損等がPLから外れるなど、ネットで特別損益がマイナス67億円変動し、税引前利益は618億円となります。日本基準の親会社株主に帰属する当期純利益379億円は、これらの変動により、親会社の所有者に帰属する当期利益として321億円となります。

3)業績予想の概要

11ページをご覧ください。業績予想の概要です。これからご説明する2020年度業績予想は、新型コロナウイルスの影響が上期中にピークを迎え、その後徐々に回復が見込まれることおよび原油価格の大幅な下落を前提として作成しており、引き続き厳しい事業環境が継続する中、2019年度から減収減益となる見通しです。

2020年度は、売上収益1兆1,450億円、コア営業利益350億円、親会社の所有者に帰属する当期利益200億円を見込んでいます。業績予想の前提としまして、為替レートは通期で108円、国産ナフサ価格は通期でキロリットルあたり2万3,300円としています。

なお、今後の新型コロナウイルスの影響の拡大や終息の状況等により、お示しした見通しから変化が生じる可能性があるため、上期、下期別の内訳については今回公表を見送り、引き続き状況を精査していきたいと考えています。同様の理由により、配当予想については現時点では未定としています。

4)セグメント別 売上収益・コア営業利益の予想(対前年決算)

12ページをご覧ください。セグメント別の売上収益・コア営業利益の予想です。売上収益については、2019年度比でマイナス2,045億円減収となる1兆1,450億円、新型コロナウイルスの影響等による販売数量減、原燃料価格の下落等の影響により、モビリティと基盤素材で大幅な減少を見込んでいます。

コア営業利益については、2019年度比でマイナス374億円の減益となる350億円、全セグメントにおいて2019年度から減益となる見込みですが、コスト削減と損益への影響を最小限に止めるべく、グループ全体を挙げて取り組んでいきます。

5)キャッシュ・フロー計算書

13ページをご覧ください。キャッシュ・フロー予想を記載しています。営業キャッシュ・フローは1,300億円、投資キャッシュ・フローは1,200億円のマイナス、フリーキャッシュ・フローは100億円を予想しています。

6)連結経営データ

14ページをご覧ください。連結経営データを記載しています。ここに記載の設備投資と減価償却費については注釈にもありますとおり、2019年度から大幅に増加していますが、設備投資等による実質的な増加以外にIFRSの適用に伴う増加が含まれています。

15ページ以降の補助資料についても、適宜ご参考ください。以上で2019年度決算の概要および2020年度業績予想の概要について、ご説明を終了します。

記事提供:ログミーファイナンス

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