【銀行利用のポイント2】銀行にお金の管理を任せきりにしない

銀行の本来の業務は、利用者から預かった預金を融資に回して利息を付けて返してもらい、満期になった利用者に利息を付けて返すことです。ところが、長引く低金利政策の影響で利ざやを稼げなくなった銀行は、保険や投資信託の売り込みにも積極的です。

銀行が金融商品を勧めるワケ

その背景には2つの理由があります。1つ目は、金融商品を売ったほうが儲かること。銀行は、投資信託会社や保険会社の代わりに金融商品を販売して手数料を受け取っています。

2つ目は、利用者からお金を預かると出費が発生すること。預かったお金を守るために、銀行は預金保険機構に対して預金保険料を支払う仕組みになっています。この制度は「預金保険制度」と呼ばれ、利息の付かない預金は全額、利息の付く預金は1金融機関ごとに元本1000万円までと利息などが保護されます。外貨貯金は保護対象外です。

銀行の金融商品をしっかり検討しよう

長く利用してきた銀行を信じて、勧められるままに金融商品を購入するシニアもいます。しかし、投資に失敗して老後資金を減らしてしまうケースは珍しくありません。とくに、それまで投資の勉強をしてこなかった人は要注意です。

働き盛りの30~40代が本気で投資をしたいと考えたなら、銀行ではなく投資のプロである証券会社に行くでしょう。一方、シニアにとって証券会社を訪れるハードルは低くありません。定期預金を取り崩して保険や投資信託への乗り換えを勧められたときは、慎重になる必要があります。

大切な老後資金を守るためには、銀行に任せきりにせずに自分でしっかり検討することが大切です。

参考

「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2019年(令和元年)平均結果-(二人以上の世帯)」総務省統計局
「預金保険制度とは」預金保険機構
「老後資金2000万円以上ある世帯は、どれくらい?」LIMO

【ご参考】貯蓄とは

総務省の「家計調査報告」[貯蓄・負債編]によると、貯蓄とは、ゆうちょ銀行、郵便貯金・簡易生命保険管理機構(旧郵政公社)、銀行及びその他の金融機関(普通銀行等)への預貯金、生命保険及び積立型損害保険の掛金(加入してからの掛金の払込総額)並びに株式、債券、投資信託、金銭信託などの有価証券(株式及び投資信託については調査時点の時価、債券及び貸付信託・金銭信託については額面)といった金融機関への貯蓄と、社内預金、勤め先の共済組合などの金融機関外への貯蓄の合計をいいます。

LIMO編集部