債券市場
債券価格は上昇(利回り低下)基調を維持
インド国債市場は、2019年12月下旬以降、世界的な金融緩和の流れ、国内ではインド準備銀行(中央銀行)による積極的な利下げを受けて、上昇(利回りは低下)基調を維持している(6月30日現在)。
新型コロナウイルスの影響による景気の落ち込み、財政の悪化が懸念されており、前述の通り、6月1日にはムーディーズ・インベスターズ・サービスがインド国債の格付けを投資適格級で最低の「Baa3」に引き下げた。
HSBC投信の債券運用戦略
インド債券市場は、グローバル投資家にとり良好な投資機会を提供している。新型コロナウイルスによる経済的混乱が収束すれば、インド経済は再び優位性を取り戻すと思われる。インドの国債の相対的に高い利回り水準にも妙味がある。
インド債券の運用においては、引き続きインドルピー建国債に重点を置いて投資を行っている。また、短中期のインドルピー建社債を選好している。一方、米ドル建インド債券には慎重な姿勢を維持する。
為替市場
インドルピーは2月下旬から3月上旬に急落、その後は一進一退
インドルピーは対米ドル、対円ともに、本年2月下旬から3月上旬にかけて、新型コロナウイルスの感染者の世界的な広がりを受けた投資家のリスク回避志向の高まりを背景に、他の新興国通貨とともに急落した。その後は、一進一退の方向感に欠ける展開となっている(6月30日現在)。
インドルピー相場は、短期的には引き続き不安定な動きを続ける可能性があるが、長期的には、相対的に良好な経済ファンダメンタルズや潤沢な外貨準備高が支援材料となり、堅調な展開が予想される。