シリーズでお伝えしている「注目小売店月次実績」。今回は牛丼チェーン店「吉野家」他を運営する吉野家HD(9861)の、2020年6月の月次動向及び過去実績、また過去1年の株価動向について振り返ってみましょう。
直近の月次実績
2020年7月に更新された吉野家HDの2020年6月既存店売上高は、対前年同月比87.7%。内訳は客数81.1%、客単価108.1%で、客単価はプラスながら客数のマイナスをカバーできずマイナス成長となりました。
また全店売上高も89.0%で、既存店・全店ともに対前年同月比80%台後半のマイナス成長となっています。
今期の既存店売上高の振り返り
では、同社のここまでの既存店売上高はどう推移してきたのでしょうか(同社は2月決算)。
前期の既存店売上高は特殊要因のあった2月を除き、11カ月全ての月でプラス成長が続きました。その後、新型コロナウイルスの影響を受け、対前年同月比で3月98.2%、4月96.0%、5月92.7%、6月87.7%と推移しています。緊急事態宣言の全面解除はあったものの、6月は5月比でマイナス幅が拡大する結果となりました。
一方で全店売上高は前期全ての月でプラス成長を達成。3月は100.0%とマイナス転落を防ぎましたが、4月97.6%、5月94.0%、6月89.0%と既存店同様の推移を見せています。
過去1年の株価動向
最後に同社の株価動向を見ていきましょう。
同社の株価は2018年から1,600円台で底値を形成し、2019年5月より上昇を開始しています。そして2020年1月に3,050円の高値に到達しました。
しかし3,050円が天井となり、2月後半以降の株式市場全体の下落もあり、3月には安値1,709円まで下落。その後はWボトムパターンを形成して4月の安値1,829円を付けた後に反発し、5月に2,500円を回復しました。しかし現在は、2,000円付近まで値を落としています。
新型コロナウイルス問題の影響から、既存店売上高は3月以降マイナス成長が続いています。6月は既存店・全店ともに5月比でマイナス幅が拡大することになりました。今後、いつプラス成長に戻るかが注目されます。
参考資料:吉野家月次推移(2020年度)
LIMO編集部