当初、富裕層は子どもの教育にお金をかけられるので成績の良い子が多いというイメージがあったCさんでしたが、実際には全くやる気がなく勉強ができなくても構わないという態度の生徒や、中学生なのに小学校3、4年の漢字の読み書きもままならない生徒もいたそうです。
Cさんは、経済的に恵まれているのに勉強の意欲がない子どもには、ある共通点が見られることに気づきました。それは母親と子どもの関係が悪いこと。特にやる気がない生徒の母親は、子どもの前で「あなたたちがいなければ良かった」と口にするのだとか。その生徒は「勉強だけしろという母が嫌い」とCさんに嘆いていたそうです。
勉強に対する意欲は、「自分の適性を活かしたい」「自分が興味のあることを追求したい」と願う気持ちと直結します。しかし、親から否定的な態度を示されると自分自身を見失いがちになり、何をやりたいか目標を見つけられなくなるのではないかとCさんはいいます。
教育費を貯めるだけでなく、情報収集も大切
経済力のある家庭の方が、塾や習い事など子どもに多くの経験をさせられという点で有利なのは確かです。しかし、親子の関係が悪く、子どもが勉強をする意味を見出せなければ、いくら環境を与えても学力は伸びないでしょう。
一方、金銭的に余裕がなくても、たとえば図書館や科学館などを利用して学ぶこともできます。また、自治体で行うキャンプや登山、スキー教室などは比較的手ごろな費用で参加できるものもあるようです。
親は、できる限り子どもの希望に添える選択ができるように金銭的なサポートをすることも必要ですが、費用が少なくても体験できることを探す情報収集も大切なのではないでしょうか。
LIMO編集部