日本の漁獲量は35年間でピーク時の3割未満へ激減

農林水産省が公表する漁獲量(生産量とは異なる。海面漁業のみ対象、以下同)の統計調査データ推移を見てみると、日本の漁獲量が激減していることがわかります。

ピークと推定される1984年に1,150万トンだった漁獲量は、35年後の2019年には約319万トン(速報値)まで落ち込みました。これは、ピーク時の約28%水準(つまり、▲72%減)ということであり、十分に激減と言っていいでしょう。

ちなみに、これらに含まれない養殖漁獲量も、ピーク時である1994年の約134万トンから2019年は約91万トンへと減少(ピーク比67%水準)しています。

この数字だけを見ても、日本の漁業が危機的状況にあることが分かります。

また、水産物の輸入量は、漁獲量の減少に反比例する形で増加してきましたが、2002年の442万トンをピークに漸減傾向が続いており、2013年は249万トンまで減りました。2014年以降のデータは不明ですが、輸入量が急回復している可能性は低いと言えましょう。

漁獲可能量が定められたことも一因だが…

一方、この厳しい数字だけをもって、水産物資源が枯渇に向かっているとは言えなさそうです。なぜならば、現在は多くの魚種に「漁獲可能量」が定められているためです。特に、1994年に発効した国連海洋法条約により(注:日本の批准は1996年)、こうした「漁獲可能量」の遵守が厳しくなっています。