このように世界的に水産物資源の保護が進んでいることも一因ですが、それを勘案しても、昔ほど獲れなくなっていることは間違いないと見られます。

“獲れないから食べない”のか“食べないから獲らない”のか

また、国内における水産物(魚介類)の消費量も減少が続いています。水産庁が発表している「食用魚介類の1人当たり年間消費量」を見ると、ピークである2001年の40.2kgから2016年は24.6kgになっています。若年層を中心とした食生活の変化に加え、水産物の価格高騰も影響していると考えられます。

しかしながら、“獲れなくなったから食べない”のか、“食べなくなったから獲らないのか”を明確に判断することは難しいかもしれません。

カニの漁獲量も激減、ピーク時の2割強の水準

さて、カニの漁獲量はどうでしょうか。結論から言うと、カニの漁獲量は全体の漁獲量以上に減少しています。

農水省が公表するデータの「かに類」は、「ずわいがに」「べにずわいがに」「がざみ類」「その他のかに類」の合計ですが、ピーク推定である1983年の約10万トン強から、2019年には約2万2,300トンまで減りました。ピーク時の2割強の水準であり、全体の漁獲量以上に激減しています。

注:「がざみ類」は渡り蟹を指します。