子供部屋おじさん(Cさんの場合) 

過度な期待をかけられていたCさんは、今では55歳。幼少のころから優秀だったCさんは、県下でもトップクラスの進学校に通っていたのだとか。両親共に教職者ということで両親からの期待も厚く、狙う大学も一流だったといいます。

そんなCさんがひきこもってしまった原因は、大学受験の失敗でした。今まで挫折を知らなかったCさんにとって、第一志望の不合格はプライドと自尊心を傷つけるもので、合格した友人に合わせる顔がないと、部屋に閉じこもってしまいました。

「立ち直る」という経験のなかったCさんは、ひとつの失敗が尾をひいてしまい、そのまま大学受験を諦め、就職どころか勉学にも興味を失ったそうです。両親の圧にも耐えられず、完全に孤立したCさんは自室から一切顔を出さなくなってしまいました。

両親は「どこで間違えてしまったのか…」と今もなお悩み続けています。深夜になると、暗いキッチンでゴソゴソと食べ物を漁るCさんの気配を、ただ見守ることしかできないようです。