高い家賃を払う価値がない

パンデミックで失業し家賃を払えず、街を出ていく人もいます。また、数十年間地元の常連に支えられながら続けてきたという名物レストランや商店も街の閉鎖で家賃が払いきれず、店を閉めるというオーナーも大勢います。

しかしプロフェッショナルなミレニアルズにとっても、リモートワークという新しい働き方が推進されるようになり、シティーライフを考えなおす機会となったようです。

英Daily Mail(※3)のインタビューに対して、広告テクノロジーの仕事をするマルガリータ・リヤドワさんは、「とっても小さな部屋を借りているが、陽もあたらない部屋で一日過ごすのは不健全、食品の買い出しも公共交通機関を使わなきゃ行けなし…」

「ニューヨーカー同士の交流で刺激し合えることが醍醐味だったが、それが制限され、夏に再開したとしてもまた秋に第2波も予想されています。高い家賃にしばられているわけにはいかない、と故郷でリモートワークをし、いずれはニューヨークではなくもっと家賃が安く人混みの少ない街に引っ越す予定」と話しています。

また、デート/交際術コーチをするパット・ステッドマンさんは、「自分と妻の仕事はリモートワーク可能だから、今は、ニュージャージー州の郊外に引っ越してきた。いずれは物価の安い(妻の国)ポーランドに引っ越し、お金を貯める予定」だといいます。

彼は「ニューヨークにはもうエネルギーがなくなってしまった。人々が楽しんだり、夢を実現する場所ではなくなった」「もう、ニューヨークから卒業だ。いずれ立ち直るだろうけど、以前とは違う姿になる」とすっかり見切りをつけた様子です。

匿名の専門家グループBlindが行った調査によると、テクノロジーや金融関連の企業に務めるニューヨーカーたちの69%は、「このままずっとリモートワークができるのならニューヨークを去ることを考える」と答えているということです(※3)

TwitterやFacebookでは多くの社員にリモートワークを永久的に定着させていく方向でいることを発表しています。このような傾向を考慮すると、ますますニューヨークの人口流出は増加しそうです。