人手不足感が後退し労働需給が緩む

所定内給与は、前年比0.1%減(2019年夏は同0.5%増)と減少に転じる見通しです。これはCOVID-19による企業収益の減少や労働需給の急速な緩みが原因だと指摘されています。ここで日銀短観(2020年12月調査と同3月調査)を見てみましょう。

・2020年3月調査の雇用判断DIは全規模・全産業において28%Ptの大幅なマイナス
・12月調査と3月調査を比較すると、製造業で変化幅が2%Ptのプラス、非製造業で同3%Ptのプラスとなり人手不足感が弱まっている
・宿泊・飲食サービスにおいては67%Ptマイナスから32%Ptマイナスとなり、変化幅が35%Ptのプラス。急激な人手不足感の後退が見られる

ただし3月調査の日銀短観には3月中旬以降の状況が織り込まれていません。COVID-19の影響を考えると、実際の人手不足感はより弱まっている可能性が高いと指摘されています。