賃貸派の方は要注意!住居費用の備えは?
心配なことは、まだあります。支出の内訳欄、住居費用をご覧ください。平均の住居費用は14,693円/月となっています。少々安い感じがしませんか?
これは今の高齢者の持ち家比率が高いためです。持ち家の人は、家賃に相当する、毎月の住居費用が不要です。そのため、全体の平均費用が大きく抑えられているのです。
そうなると、「一生賃貸でいいや」と考えている人は、住居費用をもう少し多く見積もる必要があります。老後の生活費支出がその分、上昇することになり、足らない分は2,000万円では済まなくなります。
持ち家信仰に因われない今の若い方は、賃貸派の方が大勢います。一生賃貸派の人は、2,000万円とは別途、住居費用の準備が必要になりますので、住居費用の準備を考える必要があります。
下記の試算をご覧ください。「平成29年度簡易生命表」より、60歳時点での平均余命(男性23.72歳、女性28.97歳)を概ね30年とし、必要な住居費用を計算してみました。
家賃が月5万円の場合
- 5万×12ヶ月×30年・・・1,800万円(住居費用)
- 2,000万円+1,800万円・・・3,800万円の準備が必要
家賃が月10万円の場合
- 10万円×12ヶ月×30年・・・3,600万円(住居費用)
- 2,000万円+3,600万円・・・5,600万円の準備が必要
全国賃貸管理ビジネス協会の「全国家賃動向」(2020年度4月調査)によると、2人部屋の家賃の全国平均が57,866円/月となっています。その部屋に30年住むことになると、約2,083万円の費用を支払うことになります。この金額を、不足する2,000万円と合わせて用意しなければなりません。