「老後2000万円問題」とは?
昨年、「老後2,000万円問題」が大きな話題となりました。このまま年金を払い続けても、老後の生活費には2000万円足らないという騒動でした。この「2,000万円足らない」根拠は、一体どこから来ているのでしょう。
下記は総務省「家計調査年報」(2018年)の資料です。世帯主が60歳以上の無職世帯(2人以上の世帯)の1ヶ月の収入、および支出を見てみましょう。
収入 222,335円
〈内訳〉
- 公的年金などの社会保障給付・・・188,195円
- その他・・・34,140円
支出 269,790円
〈内訳〉
- 食料費・・・68,646円
- 交通・通信費・・・28,598円
- 教養娯楽費・・・24,054円
- 高熱・水道費・・・21,742円
- 住居費・・・14,801円
- 保健医療費・・・14,693円
- 家具・家事用品費・・・9,964円
- 被覆及び履物費・・・6,402円
- 教育費・・・346円
- その他・・・50,688円(うち交際費は22,451円)
- 非消費支出(社会保険料など)・・・29,856円
収入から支出を引くと、およそ月5万円が不足します。年間で約60万円が不足し、これを老後の30年間で計算すると、約1,800万円になり、2,000万円弱のお金が足りないことになります。
これが老後2000万円問題の根拠になっているのです。
決して贅沢な暮らしではなく、過不足なく過ごしていける程度の生活レベルですが、それでも2,000万円程度足りないことになります。最低限2,000万円を貯めることを目指して、準備しておきたいところです。