リモート化で地方創生に貢献
このような、テレワークやリモート接客は、東京一極集中の改善に役立つのではないかといわれています。
実はリモート化と地方創生を繋げた「逆参勤交代構想」というアイデアを三菱総合研究所では2017年からを提唱しています(※4)。
「『逆参勤交代』とは江戸の参勤交代とは逆に都市生活者の地方への期間限定型リモートワーク」ということです。「週に数日は本業、週に数日は地域のために貢献する」と、単なるリモートワークでも転勤でもありません。
企業としては地方創生というSDGs(持続可能な開発目標)に貢献しつつ「地域課題の解決に自社の技術やサービス」を取り入れるというビジネスにもなり、働き方改革への取り組みにもなります。個人にはワークライフバランスがとれたゆとりある生活、地域には経済活性化などといった、関わる者すべてにベネフィットが期待できるという構想です。
これには多様なモデルがあるようですが、例えば、長年の経験を活かして地元企業を支援するというモデルは、個人のセカンドキャリアのきっかけになるかもしれません。また、離職することなく故郷で仕事を続け、親の介護もでき、地域貢献もできるというモデルは介護問題を解決できるかもしれません。とても画期的な構想です。是非実現して欲しいものです。
前述のようなオンライン接客では、地方の専門店が限られた地元住民相手だけでなく、全国的に接客販売が可能になり、顧客を拡大するチャンスにもなるのではないでしょうか。それにより、その土地の特色を活かしたビジネスを始めようという人も現れれば、地域経済も活気づきます。
よく、「ピンチはチャンス」と言う言葉を聞きますが、我々にとって今がその時なのかもしれません。厳しい時期は続きますが、問題は案外ちょっとした発想の転換で大きな成功に繋がるかもしれません。
参考
(※1)『第1-3回「新型コロナ対策のための全国調査」からわかったことをお知らせします。』厚生労働省
(※2)『テレワーク継続意向調査』パーソル総合研究所
(※3)『オールユアーズが考える「ZOOM接客がポストコロナに秘める可能性」』WWDジャパン
(※4)『ポスト・コロナ時代の働き方・住まい方~明るい逆参勤交代が日本を変える~』プラチナ社会研究会
美紀 ブライト