国内外で経済再開への期待が高まり、底堅い動き
2020年5月22日の東京株式市場で、日経平均株価の終値は前日より164円15銭安の20,388円16銭となりました。
国内では新型コロナウイルスの新規感染者数の拡大ペースが鈍化していることから、経済活動再開への期待が高まっており、幅広い銘柄が買われる展開となりました。19日には、3月6日以来約2か月半ぶりの高値となっています。さらに21日には大阪、京都、兵庫で緊急事態宣言が解除されました。
一方、22日に開幕した中国の全国人民代表大会(全人代)で「香港版国家安全法」が提案されたと伝えられ、これをポンペオ米国務長官が強く非難しました。そのため、米中の対立が激化するとの見方から日経平均も弱い動きとなりました。
今週の展開はどうなるでしょうか。国内では25日、東京都など首都圏4都県と北海道の緊急事態宣言解除の政府方針が諮問委員会で諮られる予定です。特に東京で宣言解除となれば、経済再開への期待から相場を後押ししそうです。
ただ、22日の米株式市場でダウ工業株30種平均は前日比8ドル96セント安の24,465ドル16セントと続落しています。香港の統制強化を巡り、米中が対立することになるとの警戒感から売りが出ました。とはいうものの、下げ幅はわずかでした。日経平均も2万円台では下値の堅さを感じさせます。
足元の相場の動きを見ると、国内外の多くの投資家が「アフターコロナ」を視野に、「買える材料」を探しているように見えます。
ここで注意したいのは、新型コロナウイルスのワクチンに関するニュースについても開発が進んでいるという報道がされ大きく買われたたかと思えば、その後に治験データが不十分と報じられ失望売りが出るなど、一喜一憂する動きが続いていることです。
国内で治療薬として期待されている「アビガン」についても、有効性の判断には検証が不足であると報じられ、売られることになりました。
このように相場もしばらくは乱高下する可能性があります。ニュースに飛びついて売買するのはリスクになりかねません。中長期的な視点で銘柄を選びたいところです。