老後の生活費の計算法:要素は「年金収入」「勤労収入」「資産収入」の3つ

退職目前50代の資産形成

前回の記事『老後は年間いくらで暮らす前提にすればいいのか』では、退職後の年間生活費は目標代替率を使って考えること、95歳までの人生を想定すること、を前提として考えるリタイアメント・プランを紹介しました。

今回はそれに加えて、退職の定義を見直し、退職後の生活費をカバーする退職後年収の考え方を紹介します。

退職の定義を考え直す

「退職」をお金との向き合い方の視点からみると “生活が勤労収入だけで成り立たなくなる時”と定義する方がわかりやすいように思います。

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「70歳定年時代」になったといわれていますが、実際には依然として多くの人が60歳で定年を迎え、再雇用・継続雇用で働き続けています。

当然、その段階で勤労収入は大幅にダウンしていますから、今の生活をぎりぎり支えるだけになるか、今の生活もカバーできなくなっている場合には、これを「退職」と定義するべきでしょう。

現役時代は生活費のほとんどを勤労収入で賄い、その勤労収入を今の生活と将来の生活(貯蓄・資産形成)にどう振り向けるかを考えます。一方、退職後は“生活費を何でカバーするか”という視点に変わります。

退職後には、「年金収入」が中心になりますが、それに「勤労収入」とさらに持っている資産を取り崩して生活に充てる「資産収入」が必要になってきます。この3つを合わせて「退職後年収」と呼んでいます。

退職後は3つの収入を想定

前回紹介した目標代替率(70%)を使うと、退職後の生活費総額は

「退職後年収(=退職直前年収×70%)✕ 退職後の生活年数」

となります。

参考記事

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野尻 哲史
  • 野尻 哲史
  • フィデリティ・インスティテュート 退職・投資教育研究所
  • 所長

国内外の証券会社調査部を経て、2007年より現職。アンケート調査をもとに個人投資家の資産運用に関するアドバイスや、投資教育に関する行動経済学の観点からの意見を多く発表している。
日本証券アナリスト協会検定会員、証券経済学会・生活経済学会・日本FP学会・行動経済学会会員。
著書には、『老後難民 50代夫婦の生き残り術』、『日本人の4割が老後準備資金0円』(講談社+α新書)や『貯蓄ゼロから始める安心投資で安定生活』(明治書院)などがある。
調査分析などは専用のHP、資産運用NAVIを参照