白色のマスク以外は着用禁止
そんな最中、起きたのが新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の蔓延。しかし、外出自粛ムードが少しずつ漂い始めてもオーナーの認識は甘く、最初の頃はマスクの着用に依然として厳しい態度を見せていたそう。「この地域ではあまり発生していないから大丈夫だろうと言ってきて…。根拠のない理由を盾にして、従業員のマスク着用を認めようとしませんでした。」
もし感染したらどうしよう。ウイルスを家に持ち帰ってしまい、夫や高齢の父にうつしてしまったら…と不安でたまらない日々を強いられた順子さんは意を決して他の従業員にも声をかけ、全員でオーナーへマスクの着用を願い出ることに。「長い話し合いの後、渋々ですがやっとマスクの着用を許可してもらえ、ホっとしました。」
しかし、安心したのもつかの間。ある日、順子さんがネット上で灰色のマスクを購入し、身に着けていくと、オーナーは「そんな色のマスクは認められない」と怒鳴ったのだそう。「ネット上で白いマスクが売り切れていて、灰色か黒色のものしかなかったと説明しても聞いてもらえず…。今後、その色のマスクはつけてくるなと言われました。」
品薄状態の中、なんとか手に入れたマスクは結局、親戚や友人に譲るはめに。「命が危険にさらされているのに、色にこだわる理由はどこにあったんでしょうか。」