2020年、第92回アカデミー賞にてポン・ジュノ監督「パラサイト 半地下の家族」がアジア映画史上初、作品賞を含む4冠を達成しました。『パラサイト=寄生虫』という、衝撃的なタイトルに注目が集まるなか、専業主婦を『パラサイト』と揶揄する言葉もあるようです。なぜ、専業主婦の風当たりはこんなにも厳しいのでしょうか?そこをひも解くとともに、専業主婦の実情をご紹介します。

『パラサイトワイフ』という名の冷評 

安倍政権が推し進める女性の社会進出。内閣府発表の「平成29年度男女共同参画社会の形成の状況及び平成30年度男女共同参画社会の形成の促進施策」では、平成29年に1,188万世帯がフルタイムやパートなどで働いています。共働きが主流となってきているなか、専業主婦への印象も変わりつつあります。昭和55年では共働き614万世帯に対し、無業の妻がいる世帯は1,114万世帯と多く、専業主婦へのイメージも悪くありませんでした。

しかし、共働き世帯が多くなった昨今、働きに出ない専業主婦を「夫の寄生虫」という意味の『パラサイトワイフ』と表現することもあるそうです。夫の収入で生活をする、という状況が労働者目線からすると悪い印象を抱くようでした。