5月14日、政府は、東京や大阪などをのぞいた39県について、新型コロナウイルス対策の特別措置法に基づいて発出された緊急事態宣言を正式に解除しました。各自治体による営業自粛要請も緩和の方向へ徐々に舵が切られてはいますが、一度打撃を受けた経済活動が“ニューノーマル”の下で元の水準に戻るには、相当の時間が必要となるでしょう。

東京商工リサーチの調査によると、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関連して経営破綻した企業は、5月18日午後5時時点で156件。事業の継続をあきらめ廃業を決める零細企業や個人商店なども急増しています。

勤務先が倒産し、給料をもらえないまま退職になったとき、未払賃金の80%を国が立替えて支払う「未払賃金の立替制度」があるのをご存じですか。すでに厚生労働省は、「コロナ倒産」の急増を懸念し、4月30日に成立した今年度補正予算で立替えのための原資として21億円の積み増しを行っています。

今回は、この「未払賃金の立替制度」についてみていきます。