ネット証券の口座開設が普段の何倍かに膨れ上がるほど、投資を始めようと思っている人が増えているようです※。

しかし、証券会社のPRにはすべて鵜呑みにしてはいけない罠がいくつかあります。もちろんすべてウソというわけではありませんが、初心者が誤解しやすいポイントもたくさんあります。そこで今回は、証券会社がPRしているけれど初心者向きではないものについてご紹介します。

※参考『ネット証券 口座開設急増 楽天・SBI、月間10万超え』(日本経済新聞 3月27日付)

「初心者には投資信託がオススメ」なのか?

証券会社は対面証券でもネット証券でも、初心者に投資信託を勧めがちです。投資信託なら自分で銘柄を選ぶ必要もない、分散投資ができる、少額から購入できる、ファンドマネージャーというプロが運用するから安心、などの売り文句で販売されることが多いのが実情です。しかし、本当にそうなのでしょうか。

投資信託はたしかに複数の企業に少しずつ投資する仕組みになっており、分散投資という点においては間違いではないでしょう。ただ、多くの銘柄に投資するということは自分がよく知らない銘柄にも投資するということです。株式取引であれば、自分がよく知っている銘柄や自分の調べた銘柄に投資するのが一般的。

つまり、自分が実際に顧客としてその企業の商品を使っていたり、その業界の動向をよく知っているなど、自分が信じられる銘柄に投資することができるわけです。新発売のあの商品は売れそうだから、という理由で買うこともできるのが株式取引ですが、投資信託は自分の知らない銘柄も問答無用で含まれているのです。