ベストセラーとなった『嫌われる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教え 』。本書では子育てにおいて、「叱ってはいけない、ほめてもいけない」と教えています。
叱ってはいけない意味は分かる一方で、理解するのも、実践するのも難しいのが「ほめてもいけない」こと。子どもが何か一つできると、自然と喜びの感情が湧き上がり、満面の笑みが出て、「すごいね!」と拍手をしたり、頭をなでてほめるーーこのような反応は自然と出るものです。
子どもをほめることはごく自然な反応ゆえ、ガマンするのも難しいもの。3児を育てる筆者も、当初「ほめてはいけない」という考えは受け入れがたいものでした。
親の言いなりの子どもに育てないために
アドラー心理学の他の部分には賛同するものの、「子どもをほめてはいけない」部分に関しては疑問が残っていた筆者。しかし読み解いていくと、アドラーは、ほめるという行為は「能力のある人が、能力のない人に下す評価」であると指摘するのです。
ほめる行為の背景には「上下関係」があると指摘するアドラー。これは大人が大人をほめるケースを想像すると分かりやすいでしょう。
執筆者
株式会社ナビゲータープラットフォーム メディア編集本部
LIMO編集長/2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)
1984年生まれ。群馬県出身。東京女子大学哲学科卒業後、2008年に野村證券株式会社に入社。支店にてファイナンシャル・コンサルティング課に配属され、国内外株式、国内外の債券、投資信託、保険商品などの販売を通じ、主に富裕層や個人顧客向けに資産運用コンサルティング業務に従事し、顧客のライフプランに寄り添った提案を行った。2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)、一種外務員資格(証券外務員一種)保有。
現在は株式会社ナビゲータープラットフォームが運営する「くらしとお金の経済メディア~LIMO(リーモ)~」編集長。LIMOでは、厚生労働省、金融庁、総務省、デジタル庁、財務省(国税庁)といった官公庁の公開情報など、信頼性の高い情報をもとに厚生労働省管轄の公的年金(厚生年金保険と国民年金)、年金制度の仕組み、社会保障、貯蓄、キャリア、転職などをテーマに企画・編集・執筆を行う。3児の母。中学・高校社会科(公民)教員免許保有(2024年6月20日更新)。