飲食店を営む夫への気遣い
ご主人が居酒屋を営むというSさん。緊急事態宣言までは常連の方が訪れることもあり営業を行っていましたが、宣言後は休業することを決めたといいます。ご主人のお店には従業員もいるため「今後、うちのお店はどうなってしまうのだろう?」と不安がよぎったそうです。
「私は普段、子供の世話があるので時間が合う時にだけお店を手伝っています。家賃や大体の売り上げは夫から聞いていますが、正直細かい経営のことなどは把握していません。店を休業する少し前に『今年は売り上げがヤバいから無駄遣いするなよ』なんて軽く言われていたのですが、休業決定後は詳しい話をしてくれなくなりました。『大丈夫なの?』『お給料とかどうするの?』と聞いても『お前は心配しなくていいから』の一点張り。状況が悪化しているのは明らかなので、もし危ないようなら早めに相談してほしくモヤモヤしていました」
詳しく話してくれないご主人に不安でいっぱいだったSさん。独自でネットニュースやSNSを調べていると、さまざまな給付金や融資の制度があることがわかりました。もしかしたらご主人がきちんと制度を理解していない可能性もあったので、見つけたページのURLをそっとご主人に転送したそう。
「私が見つけたのは、厚生労働省がまとめた「生活を支えるための支援のご案内」というページです。給付金だけでなく、融資についてや猶予してもらえる機関についてなどまとまっているものでした。夫はネットニュースなどをチェックしていたらしいのですが、正直どれが自分に該当するかしっかり理解していなかったと話してくれました。その後、該当しそうなところに問い合わせてみたり、同業の仲間と情報交換をしていることを私に教えてくれました。口うるさくいうと心を閉ざしてしまう傾向がある夫。言葉少なに実行した『北風と太陽作戦』が成功したと感じました。」
普段なら真正面からぶつかり、喧嘩になって終わることも多いというSさんご夫婦。今回は夫だけではなく自分や家族、従業員にも迷惑をかけてしまうと思ったSさんは「お互いの精神を消耗している場合ではない」と新しい向き合い方をしたそうです。