コロナ自粛要請の大胆な緩和を望む理由〜倒産・失業急増から始まる悪循環

恐ろしいのは金融危機

倒産が一定のレベルに達すると、銀行の決算が赤字に転落し、銀行の自己資本が減ります。銀行には自己資本比率規制が課されているので、これが貸し渋りを招きかねません。

この規制は、大胆に言えば「自己資本の12.5倍までしか貸してはならない」というものなので、自己資本が減ると貸せる金額が減ってしまいかねないからです。

銀行が貸し渋りをすると、自動車ローンが組めずに自動車購入を諦める人が増えて景気が悪化しますし、材料を仕入れる資金が借りられずに倒産してしまう中小企業が出てくるかもしれません。

そうなると、景気が悪化して、不良債権が増えて、銀行の貸し渋りが増えて、倒産が増えて、銀行の赤字が増えて、といった悪循環に陥ってしまいます。

最悪なのは、銀行が倒産することでしょう。一般企業の倒産とは比較にならないほど深刻なダメージを日本経済に与えますから。もっとも、さすがに政府日銀が全力で倒産を回避すると強く期待していますが。

金融は経済の血液だ、と言われています。普段は目立ちませんが、金融危機が起きると心臓病が起きた人体のように、様々な問題が起きてくるわけですね。

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塚崎 公義

1981年 東京大学法学部卒業、日本興業銀行(現みずほ銀行)入行
おもに経済調査関連業務に従事した後、2005年に退職し、久留米大学へ。
現在は久留米大学商学部教授であるが、当サイトへの寄稿は勤務先と関係なく個人として行なっているため、現職は経済評論家と表記したものである。
(近著)
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(雑誌寄稿等)
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