スメハラを訴えた人がハラスメント加害者になるリスクも

さらに、スメハラを訴えた人が、逆にハラスメントを与える人になってしまうケースがあり得ます。一般に、口臭や体臭を非難することは、当事者の人格そのものを否定することになり兼ねないからです。ある日、突然に自らの口臭や体臭を非難されたら、その人は大きなショックを受けるはずです。

そして、もし、その人が精神的に落ち込んだりした場合、“あなたの口が臭い”と言い放った人は、ハラスメントを与えてしまったと非難される可能性もあります。

最後は一人一人の心がけに頼らざるを得ない

徐々に認識され始めてきたスメハラを大きな問題にならないようにするためには、企業側でも何らかの対応が求められます。たとえば、洗面所にさり気なくマウスウオッシュ液を置くとか、オフィスに無臭の脱臭剤を置くなど、やり方は様々あるはずです。

でも、最後はやっぱり、一人一人の心がけ・エチケットに頼らざるを得ません。自分自身が発するニオイについて一度考えてみることが大切です。もしかしたら、スメハラに無頓着な人こそ、スメハラの加害者になっているかもしれません。

コロナ騒動で在宅リモートワークが進み、出社する機会が激減した今、自らがスメハラの加害者になっていないかどうか改めて見直すことも必要でしょう。

葛西 裕一