まずは「話を聞ける」子に

「学校の授業を聞けている子の成績は安定しているが、聞けていない子の学習内容はなかなか定着しない」と言われることがあります。今のところ、“一方通行型”が多いオンライン学習においては、この「聞く」ことができるかどうかが、重要なポイントになってくると考えられます。

では、子どもが話を聞く習慣を身につけるにはどうしたらよいのでしょうか。

親自身が、他人の話を聞いているか?

参観日等で、子どもそっちのけでおしゃべりに興じている保護者を見かけたことはないでしょうか。また、子どもに対して一方的に怒ったり意見を押し付けたりすることはありませんか。

このタイプには他人の話をちゃんと聞いていない人が多く、そういった大人の影響を受けた子どもたちも、やはり人の話を聞かない傾向があるかもしれません。

子どもでも大人でも、自分の話を聞いてくれない人の話に耳を傾けたいとは思いませんよね。
「聞いてもらえる→認めてもらえる→だから相手の話も聞きたくなる」
というサイクルが自然に生まれてくるのではないかと思います。

まずは、自分自身が、子どもを含め、きちんと人の話を聞けているかどうかを振り返ってみるのもよいですね。

子どもの「ありのままの言葉」を受け止めているか?

子どもの話を聞くときのポイントとしては、「否定形のことば」は使わないようにしたほうがよいかもしれません。

たとえば、子どもから「疲れた」「ウザい」「面倒くさい」などとネガティブな発言を聞いたとき、みなさん、どう反応しますか?ここでは「そんなことを言うな」と突っぱねたくなる気持ちを、ちょっとおさえてみるとよいかもしれません。

そして一言、「そう、疲れたの」と一言オウム返しをしてみるのです。

この「受け止める」というステップを踏むことで、子どもの反応はだいぶ変わってくるかもしれません。

上から目線で見ていないか?

子どもに対して「上から目線」で命令口調や怒り口調になってしまうことも、時にはありますよね。そんなときに、ちょっとヒントになりそうな考え方をご紹介します。

「人は納得しなければ動かない。これは大人も子どもも同じ」

ここは、あえて意識してわが子を“対等な関係”としてみてみましょう。そのうえで「勉強している姿を見たいな」「手伝ってもらえると助かるな」などと、投げかけてみるのです。愛情と敬意のこもった呼びかけは、力づくで命令したときよりも、はるかに強く子どもの心に響く可能性があります。

話を聞く子に育ってほしければ、まずは親自身が「聞こうとする姿勢」を整えていくことが必要なのかもしれませんね。