一方、外因性のベアマーケットもダメージが大きくなるおそれがあるが、これらは特定の衝撃(石油ショックやウイルスのパンデミックなど)によって引き起こされることが一般的である。マクロ経済や金融システムが原因ではないことから、同じ自己増殖のパターンを生み出すことはない。そのため、衝撃は自己増殖ができず吸収することが可能である。
この理論は、外因性の衝撃から生じるベアマーケットの方が内因性のものより下落率が小さく、早い回復が期待できることを示唆している(図表2参照)。
HSBC投信は1872年以降の米国のデータを用いて、それぞれのベアマーケットを「内因性」と「外因性」に分類した(図表3参照)。事実、内因性ベアマーケットの下落率は平均して外因性を大幅に上回り、回復までに要する期間も長かった。内因性ベアマーケットは企業の利益に与える影響も大きかった。