民主党予備選で中道派バイデン氏と争ってきた左派のサンダース候補は4月8日、選挙戦からの撤退を表明した。これで秋の大統領選は、トランプ大統領とバイデン候補の対決となる。
トランプ対バイデンで、民主党に勝利の目?
バイデン氏は予備選の当初、アイオワ州とニューハンプシャー州で大敗し、大きく出遅れていた。しかし、2月29日のサウスカロライナ州の予備選で圧勝して勢いをつけ、3月3日のスーパーチューズデーでも14州中10州で勝利し、一気に筆頭候補に名乗り出た。
3月17日に行われた予備選でも、フロリダ、イリノイ、アリゾナ州でサンダース氏に圧勝し、最近はサンダース氏がいつ撤退するかがポイントだった。
サンダース氏撤退表明以前にも、民主党内部には、中道派を中心に左派のサンダース氏では本番で勝てないとの見方が強かった。中道派の中には今回の撤退表明で安堵した民主党員も大勢いることだろう。
トランプ大統領としても、バイデン氏ではなくサンダース氏の方がやりやすかったという認識はあり、今後は選挙戦に向けて本腰を入れていくことだろう。
コロナ禍が左右する大統領選の行方
しかし、現在の状況を考えると、今後は新型コロナウイルス(COVID-19)の問題が大統領選の行方を大きく左右しそうだ。
感染拡大によって、秋の本番までの討論会や支持者を集めた集会なども次々に延期となっており、両者とも自らを強くアピールするチャンスが大幅に失われている。
また、新型コロナウイルスの感染拡大でニューヨークを中心に全米でロックダウン状態となったことで、米経済の減速は避けられず、雇用を奪われる市民の数はどんどん増えている。