娘や孫を使っての最後の訴え

ニュースを見ているとますます事態が深刻になり、夫の行動を見守ることが我慢の限界に達したYさん。今まで一人で悩んでいましたが、遠方に住む娘さんに電話で事情を説明し、夫の説得を一緒にしてもらうことにしたそうです。

「夫は普段から私のいうことは馬鹿にして全く聞かない人でした。とはいえ、今回のような非常事態。ニュースを一緒に見ているのだから自分で危険を感じ取ってもらいたい、そんな願いもありました。しかし、残念ながら夫にはそういったことはできない。とはいえ、このまま感染して命を落とすことにでもなったら私も娘もきっと後悔する。そのことを私の口ではなく娘の口から言ってもらえるようお願いしました」

趣旨を理解した娘さんはYさんのいない時間を見計らってお孫さんと一緒にテレビ電話をかけてくれたそうです。「収束したら孫を連れてたくさん遊びにいきたい。そのためにも自分の身体の状況を考え、今だけ我慢して欲しい」普段親に意見などしない娘さんの必死の訴えに「酒と煙草は減らせないけれど、なるべく家にいる」と約束してくれたYさんのご主人。娘さんから約束をしてもらった報告を受けたYさんはホッと胸をなでおろしたそうです。

しかし、電話のあとYさんがご主人の元へいくと「お前があいつらを使って言わせたんだろう。姑息な手を使うんだな」と苦々しい表情で吐き捨てられてしまいました。ご主人は前より出かけることが減ったといいますが、しばらくの間、Yさんへの恨み言が増え家庭内は以前よりも冷え切った状態になったといいます。