せめて3密を避けてほしい

自分の体調のことに対し真剣に向き合ってくれない夫に対し、危機感を募らせたYさん。「リスクのあるといわれるものを減らすことができないのなら、せめてウイルスに感染する機会を減らせないものか」そう考えたYさんは、夫の趣味であるジムや居酒屋での食事といった「3密」空間になりやすい場所への出入りを控える様、初期の頃から夫に伝えていたといいます。

しかしご主人は「馴染みの店の売り上げが落ちているときに裏切るような情の薄いことはしたくない」「ジムにいかなくなったら急激に筋肉が衰えて、俺は歩けなくなるかもしれない」などの理由をつけては生活スタイルを変えようとしなかったそうです。

「確かに、夫が行く場所は私も顔なじみで先方の売り上げや生活の心配をする気持ちもわかりました。でも、健康な若者だってときには重症化することもあるようなものに対して、60才を越えたハイリスクといわれる夫が無防備で向かっていくのは危険すぎます。『落ち着いたら顔を出せばいいじゃない』と説得しても『俺がいかないで店がつぶれたらお前はどんな気持ちだ!』と反論されてしまいました。

夫が大将を心配する以上に、私だって夫が心配です。身体のダメージは予測がつかない分、夫にとっては行きつけの店の経済的ダメージの方がよっぽどリアルに感じられていたようです」