また、先進医療に係る費用ですが、患者が全額負担することとなります。ただし、医療の種類や病院によって異なる場合があります。
通常、先進医療の技術料が全額自己負担となり、その他の診察料や検査料、投薬料、入院料などは公的保険の適用となります。
気になる先進医療・・・どんな治療があるの?
厚生労働省「令和元年6月30日時点で実施されていた先進医療の実績報告について」を見てみましょう。
先進医療で最も実施件数が多いのが「多焦点眼内レンズを用いた水晶体再建術」で、白内障で悩む方に対して行う治療です。白内障など身近な病気の治療に先進医療が施されているのは驚きですね。
年間3万3868件の実施が報告されています。先進医療の全患者数が3万9178人(先進医療Aが3万8272件・先進医療Bが906件)であることを考えれば、実施件数はダントツの1位となっています。
続いて、2位、3位にはガン治療で行われる「陽子線治療」、「重粒子線治療」が続きます。
ただし、「多焦点眼内レンズを用いた水晶体再建術」に関しては、2020年4月から「先進医療」ではなく、「選定療養」に分類されることとなりました。ちなみに「選定療養」とは保険導入を前提としない療養のことを言います。よって「先進医療」ではなくなったために、後述しますが、民間保険の適用を受けられなくなりました。
先進医療は終了予定日が決まっているものもあり、術法や検査方法が「先進医療」の範疇に入るか外れるかについて、精査されています。医療の進歩や時代の変化とともに、先進医療と定義される治療法は刻々と変化しているのです。
「先進医療特約」とは?
実は、先進医療は全国の限られた医療施設でしか受けることができません。自宅から離れた場所で治療を行うことも珍しくなく、患者にとっては家族のサポートが無い状態で病と戦うことになります。