「先進医療」という言葉を一度は聞いたことがあると思います。「最先端の治療を行ってくれそう」、「先進医療だけに、お金がかかりそう・・・」、などなど、日ごろ病気とは縁遠い健康な方々にとっては、未知の領域と言えるかもしれませんね。
でもどうでしょうか。昨今の状況を見ていると、いつ自分が大きな病気にかかるともわからない・・・そんな日々を私たちは今過ごしています。今日は、いざ病気になった時に受けられる先進医療や治療法についてお話しします。
そもそも先進医療とは何か?
厚生労働省「先進医療の概要について」によれば、先進医療を「厚生労働大臣が定める高度の医療技術を用いた療養その他療養であって、保険給付の対象とすべきものであるか否かについて、適正な医療の効率的な提供を図る観点から評価を行うことが必要な療養」と定義しています。
つまり、先進医療は「高度な医療技術が用いられる療養」であり、「将来的には保険給付の対象となる可能性がある療養」、「適正で効率的な医療が提供されるために評価が必要な療養」ということになります。
手術や検査の技術は確立しているものの、まだ一般的ではなく、将来、保険適用するかどうか検討段階である治療法が先進医療であると言えます。
また、先進医療に係る費用ですが、患者が全額負担することとなります。ただし、医療の種類や病院によって異なる場合があります。
通常、先進医療の技術料が全額自己負担となり、その他の診察料や検査料、投薬料、入院料などは公的保険の適用となります。
気になる先進医療・・・どんな治療があるの?
厚生労働省「令和元年6月30日時点で実施されていた先進医療の実績報告について」を見てみましょう。
先進医療で最も実施件数が多いのが「多焦点眼内レンズを用いた水晶体再建術」で、白内障で悩む方に対して行う治療です。白内障など身近な病気の治療に先進医療が施されているのは驚きですね。
年間3万3868件の実施が報告されています。先進医療の全患者数が3万9178人(先進医療Aが3万8272件・先進医療Bが906件)であることを考えれば、実施件数はダントツの1位となっています。
続いて、2位、3位にはガン治療で行われる「陽子線治療」、「重粒子線治療」が続きます。
ただし、「多焦点眼内レンズを用いた水晶体再建術」に関しては、2020年4月から「先進医療」ではなく、「選定療養」に分類されることとなりました。ちなみに「選定療養」とは保険導入を前提としない療養のことを言います。よって「先進医療」ではなくなったために、後述しますが、民間保険の適用を受けられなくなりました。
先進医療は終了予定日が決まっているものもあり、術法や検査方法が「先進医療」の範疇に入るか外れるかについて、精査されています。医療の進歩や時代の変化とともに、先進医療と定義される治療法は刻々と変化しているのです。
「先進医療特約」とは?
実は、先進医療は全国の限られた医療施設でしか受けることができません。自宅から離れた場所で治療を行うことも珍しくなく、患者にとっては家族のサポートが無い状態で病と戦うことになります。
このように治療には様々な負担が患者にのしかかりますが、金銭面での負担軽減には保険を活用するのがおすすめです。特に「先進医療特約」を保有の医療保険に付加することをおすすめします。この特約を付加すると、先進医療の自己負担分をカバーすることが可能となります。
また保険料は数百円で済み、保険料の負担も比較的軽いのが特徴です。加入している医療保険の特約として既に付加されている場合が多いので、心配な方はチェックしてみましょう。付加されていない場合は、新たに付加することができるか保険会社に確認してみるとよいでしょう。付加できない場合もありますので、注意が必要です。
「患者申出療養」制度を知っていますか?
我々が受けられる医療の幅は確実に拡がっています。将来の保険適用のために評価をおこなうものを「評価療養」と言いますが、先進医療はこれに該当します。
一方で、自分が受けたい治療が先進医療に分類されていない場合もあります。そのような時はどうすればいいのでしょうか?このような場合、「患者申出療養」制度の活用を検討してもよいかもしれません。この制度は2016年4月よりスタートし、困難な病気と戦っている患者向けに、治療の幅を拡げるために作られた制度です。
この制度により、国の会議で承認されることが前提となりますが、患者自身の申し出により、未承認薬の使用や治験を受けることが可能になりました。費用は先進医療と同じく、自己負担になります。この費用負担をいち早くサポートする保険を提供している保険会社もあります。患者申出療養として実施された療養を受けた場合、技術料と同額の給付が受けられます。
コロナの今だからこそ考える-自分が受けられる治療のこと
いつ自分が病気になるかわからない今だからこそ、自分自身のために、いざという時の準備をしておきたいものです。
たとえ病が自分の身に降りかからなくとも、大切な家族に万が一のことが起こったら?ありとあらゆる治療を受けさせてあげたいと思うのが人の情ですよね。
私たちの目前にある数々の治療の選択肢を、お金の心配なく受けさせてあげたい。そのためには日頃の準備が必要になってくるのではないでしょうか。