このように、10年前にフラット35・金利2.55%で組んでいた住宅ローンを、2020年3月時点の金利で同じフラット35に借り換えた場合、借り換え諸費用を考慮しても月々14,154円も返済額を削減することができ、総返済額に至っては約420万円の削減効果があります。

元々変動金利など低い金利で借り入れしている場合、借り換えても月々の返済額の軽減効果があまり出ないこともありますが、最近の住宅ローンには金利上乗せなしで通常の団体信用保険にプラス特約の保障が付帯される金融機関もあるので、ほぼ同じ返済額で保障が付くような借り換えメリットが得られるケースもあります。

借り換え時の注意点は、諸費用が掛かることです。そのため、諸費用込みでメリットが出るかどうか試算が必要です。固定金利から変動金利への借り換えも、金利は下がっても、将来の金利上昇リスクが新たに加わるので、ちゃんと理解した上で借り換えする必要があります。

また、誰でも借り換えられるわけではありません。借り換えする金融機関で新たに借入れ審査を行うので、審査に通らないこともあります。審査基準は各金融機関によって若干異なるので、複数の金融機関に審査を出したり、専門家に相談しながら進めましょう。

コロナの影響がどこまで続くか見通しが立たない中、仕事の収入に影響が出ている方もいらっしゃいます。月々の支払いが継続できるか不安な方も少なくありません。

住宅ローンの借り換えは、基本的には前年度までの収入を元に審査を行います。収入が下がると借り換えもしにくくなるので、早いうちの借り換えの検討をお勧めします。

次回は、生命保険の見直しや通信費の見直しについても見ていきたいと思います。

渡邊 裕介